コンサル成功物語

コンサル成功物語

コンサル成功物語

国際経営コンサルタントの浜口さんが書いた本。本当に数多くの修羅場をくぐり抜けてきた人だなということが本書を持って分かり、その断片だけをお話していただいても非常に興味深い。

時には日本のヤクザに連れ込まれ、時には投資の神様であるバフェットに土下座をさせたり、何よりも僕が引かれたのは浜口さんの人間的魅力である。コンサルタントは結局の所、困っているクライアントに対してどこまで近づけるかが勝負な気がしてきた。


・深夜から早朝までフル回転、忍耐あるのみ。そうしたら入社して半年間全く成果が出なかったのに、たった三ヶ月で、1年間の目標が達成出来てしまったのだ。(中略)追い込まれたら解決策として思いついたことは、とにかく徹底的にやってみることだ。(P64)

・当たってくだければ奇跡が起こる(P91)

・会社も組織もうまくいかないときは結局は人に関わる問題だからだ。(P96)

・稼げば経済・使うは美学(P128)

・何事も誠心誠意の言動が最高の戦略かつ戦術かと思いますので。(P179)

・何事も成功させるためには、本気にならなければいけない。すなわち、自分の立場や報酬などの保身を一切捨てて、命がけで言動することだ(P203)

ロジカル・シンキング

ロジカル・シンキング (Best solution)

ロジカル・シンキング (Best solution)

大学院の授業の教材として読んだ本。これ1冊で基本は必要十分である。ビジネスの場面で、相手に伝えるメッセージは以下の3要件を満たしていなければならない。
・答えるべき課題(テーマ)が明確である
・その課題やテーマに対して、必要な要素を満たした答えがある
・相手に期待する反応が明らかである
一見すると普通のことかもしれないが、これの要素が欠けたコミュニケーションは多い。プレゼンでも報告書の作製でも、この基本に立ち返る姿勢が大事。
これに加えて本書では以下の5つのキーワード、「MECE」「So what」「Why so」「並列型」「解説型」が論理的に説明されている。この5つのキーワードを念頭に置いて読めば、ロジカルシンキングの基本は身に付くので後は実践あるのみ。

大事なことは全て記録しなさい

大事なことはすべて記録しなさい

大事なことはすべて記録しなさい

人気書評ブログ超激安のアウラ AHURAなどが大セール!エハルト EHALT, カテゴリトップは今季一番売れ筋商品です!全品無料配送実施中!の著者のデビュー作。実は僕のもう1つのブログCreative Lifeに以前にコメントを頂いたことがある。

結論から言うと、様々な記録本の中では秀逸な出来であると言える。本書には記録に関する49のアイディアが取り上げられている。メモや記録本の多くの本が、テクニック的な側面(How)の解説をしている一方で、この本は「どうしてそれを記録するのか」といったWhyの側面と、記録したものをどのように活用するのかまでが豊富な事例を元に書かれている。そしてデザインもきれいで、様々なツールも紹介されている。買って損はない一冊。

【読書メモ】
・読書ノートを作る読んだ本のエッセンスを記録する。2段組にしてワードで記録→ファイリングでいつでも見える化する。読書の要点は「新しいフレームワーク」及び「引用句」を抽出する。本を読む時は「P(Point)とE(Example)」を明確に区別して読む(P102)
・ささいなことでも携帯にメールする。本を読んでいて気になったワンフレーズや他人の言ったことなど。飲み会の話題もキーワードを送っておけば後から思い出せそう。Gmail、もしくはEvernoteを使ってうまくフォルダ分け。(P90)
・ICレコーダーで自分の話し方を客観的に観察する(P77)
・ネット画面をキャプチャ機能を使って記録する(P72)
・タイムログは時間の家計簿、何かを始める時は必ずストップウォッチで時間を計って作業時間を記録する。(P130)
・テンプレートを作成してしまう。例、伝言の要件、旅行の持ち物など
・ブログネタもメールして書く時間を減らす。メールの際には件名にタイトルを(P148)
・日付スタンプで何でもかんでも日付を入れる。(P176)
・プレゼントもデータベース化する。お礼を忘れないようにするために。(P182)

大学院生物語

大学院生物語

大学院生物語

分子生物学研究所の研究員、伊良林は、一癖も二癖もある大学院生の指導に明け暮れている。なにしろ、未熟な彼らの実験は思うに任せず、つねに的確なアドバイスを求められるのだ。しかし指導のかいあってか、やがて自分の実験データに基づいた審査論文を提出し、一人、二人と伊良林のもとから巣立っていく…。院生たちの知られざる研究生活と仁義なき学会の実態を、コミカルに、そしてアイロニカルに描く、異色の青春小説。(アマゾンより抜粋)

本当に面白く一気に読めた。それは私が工学部に属しながらも比較的基礎研究よりの仕事、更には分子生物学に近いことをやっているという理由もあるだろうが、一番の要因は著者の文章が分かりやすく門外漢の人向けに書かれている。

本書を読むことで、現在の日本の科学研究が置かれている状況、研究所の労害や博士過程・ポスドクの過剰などの一端が現場から浮き彫りになるだろう。昨今の事業仕分け問題もそうだが、科学技術立国を目指すなら、そろそろ大規模な改革をしなければ日本は生き残れないもしくは一部の大学のみが存続するという状況になるであろう。

最後に著者の座右の銘を1つ。

「努力は決して人を裏切らない」

研究の世界(特にバイオ)では、やってみないと結果が全く分からないことが多い。偶然に大きく左右されることもある。しかしながら、昼夜問わず実験をして努力を続けた者にはそれ相応の結果が出るというのが筆者の主張である。

僕も心に止めておきたい。

さあ、才能に目覚めよう

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

本書の特徴は何と言っても、誰しもが持つ自らの強みを特定するためのStrength Finderにあるだろう。本書を手に取ったら、カバー裏の数字をメモして、StrengthsFinder 1.0 | Gallupからテストをまず最初に受けるべきである。

人が本来持っている資質を34個に分類し、そのうち強み5つを見出してくれる。才能とは変えることができないものであり、これをどう生かしていくかで人生の質が決まる。本書の素晴らしいところは、豊富な事例を元に、「これらの強みをどう生かすか」ということにまで言及されている点である。


【メモ】
・まずは、自分の知識と技術と才能をじっくりと見つめ、どれが知識で、どれが技術で、どれが才能か、それぞれ見極めることだ。自分の才能を特定することだ。それが何か分かれば、あとは的を絞り、必要な知識と技術を身につけ、真の強みを築いていくことができる。(P36)
・才能は限りなく柔軟なものだ。使い方次第で、いい方向にも悪い方向にも向けることができる。才能は知性と同様、自らは方向性を持たない。もし人生を変えたいと思っているのなら、人のために強みを活かしたいと思っているなら、価値観を変えることだ。(P50)
・才能とは「繰り返し現れる思考・及び行動パターンであり、何かを生み出す力を持つ資質である。」(P58)
・自分はどのような状況で満足を覚えるか、それを仔細に観察して、それが分かれば才能のありかを必ず突き止められる(P87)

恥の殿堂

恥の殿堂 (小学館101新書 58)

恥の殿堂 (小学館101新書 58)

久しぶりに落合氏の作品を読んだが、やはりアツいものを感じた。現代社会に蔓延する「恥」が如何に多いことか、そして恥の対局にある「名誉」「誇り」「愛」「信念」「気高さ」といったものが如何に少なくなってしまったかを気づかせてくれる。僕は落合氏の本はほとんど読んでいたので、多少重複している内容があったものの、それでも読後の満足感は大きかった。

恥の根底にあるのは、人の心から生まれた「グリード」である。それは欲望とは明確に異なるものである。最終章の「カネへのグリードが自己実現のデザイアを凌駕した」という一節から抜粋してみたい。

ドイツの哲学者ジョウンパウエルは、人間を「欲望の動物」と看破した。自分を磨きたい、富を得たい、有名になりたい、英語を話したい、社会のためになりたい、世界を知りたい、異性にもてたい・・・・こうしたデザイアがないと人間とは言えない。若者達は果てなき渇望に突き動かされ、未知の世界に飛び出し、時代を動かしてきた。
しかし、デザイアとグリードは別次元だ。グリードの対象は、ただ1つ、カネだけである。

そしてそのようなグリードを克服するための唯一の手段はモラルだと訴えている。

結局、人々の心から生まれたグリードを克服するのは、人の心から生み出すモラルからしかあり得ないのだ。

今の世界にモラルがある人間がどれだけいるだろうか。

勝間・藤巻に聞け「仕事学のすすめ」

勝間さんと藤巻さんの仕事学や経験について書かれた本。最後に対談形式でお二人が話をしている。
藤巻さんは本書を読むまで知らなかったが、人脈や人を巻き込むのが本当に上手な方だなというのが本書を読んだ感想。勝間さんは言わずもがなの内容でしたが、少し僕が誤解していた部分があったので紹介した。
それは彼女は素直だなということ。あまりにも多くの本で「○○が大事」という決めつけをしている姿勢に少し違和感を抱いてきたが、それは彼女なりに様々な苦労があって、他人のアドバイスを素直に受け入れて実行したからこそうまくいった方法で、それを世間の人々に紹介したいという思いが強く表れているだけではないのかと。家族との時間を「投資の時間」とする背景には、僕が想像出来ないような彼女の苦労があったんだなと改めて思った。

最後の藤巻さんの一節が本書の内容をよく表していると思うので引用する。

「仕事学」は「技術」じゃない。そもそも志や人生の目標などというものは、人に言われて定まるものじゃありません。それぞれが自分の経験や感覚に照らし合わせながら「思い」を定めるしかない。あとは愚直に日々と向き合い、本気で仕事に取り組む。仲間や後輩を大切にし、自分のため、仕事のために知識や経験を蓄積する。目標や志とは相容れない仕事を押し付けられていると思えば、それに対して本気で異を唱えればいい。
自分にとって何が大切なのかは当人だけにしか分かりません。しかし、それぞれが何を大切にしているかを探り、時に本音をぶつけ合いながら、どこかに一致点を見つけ出す努力をしていかなければ、人も社会も幸福にはなれないのではないか、というのが私の立場です。


<読書メモ>
・若い頃の感動や不満を、志へと発展させ、夢を実現した友人たち。こういう人がもっと増えてきたら、日本はもっと面白い国になる
・まず褒める、そして興味を持って質問する。この2つが、人との出会いを印象的なものにして、その後の関係をより深くするためのポイントです。
・貴重な時間を使っていただいたら、若者としてはきちんとお礼の気持ちを伝えなければなりません。
・人の心には、どこかに必ずスイッチがあります。普段は中々見えないし、むしろ隠していることも多い。まずは自分から情熱を持って語りかけ、本音で話し合えるような関係を作り、心のスイッチを探して押してあげる。
・進歩は一日0.2%でいい。それを365日継続すれば、1年後にはあなたは「本人比200%」の改善が達成出来ていると
・心を開いて素直に教わるのも才能のうち